アートなので。

アートなので。

約7ヵ月ぶりに劇場で映画を観ました。

これは由々しき事態じゃないか。

というわけで、以前から気になっていた映画。

哀れなるものたち

事前情報ゼロで、なぜR18なんだろうと首をかしげながらのスタート。

いやはやR18でした・・・

以前鑑賞した「バビロン」もそうですが、

エロ・グロは苦手なハネ。

そのまんまでした。

これから鑑賞予定の方、ご注意下さいませ。

妊娠をしている若い女性が自殺をし、

風変わりな外科医(化学者?)がその胎児の脳を女性の頭に埋め込んで電気ショックで

再生させる。

驚異的なスピードで成長を遂げていくその女性、ベラの冒険物語、

です。

人間の3大欲求は睡眠欲、食欲、性欲、だそうです。

確かに良く寝てよく食べて、よくやってました。

その性欲へのフォーカスがすごかったです。

ただ、見終わっても、なんか刺さるものがなかったなぁ。

ところで、先に素晴らしかったことを述べると、

俳優陣の演技がすごい。

主人公ベラ役のエマ・ストーン、すごかったです。

これでもかと続く濡れ場に目が行きがちだけど、

要は赤ちゃんから大人の女性までを約2時間で表現するわけですが、

歩き方、話し方、顔つきが巻物を紐解くように自然。

お見事でした。

ウィレム・デフォーも良かったですが、

マーク・ラファロが非常にグッドでした。

「はじまりの歌」という作品で注目していた俳優さんです。

その作品でもダメ男でしたが、今回更に磨きがかかってました。

音楽もなんか風変わりな感じで、ベラの人生に寄り添ったものだと思います。

時折、不協和音のような、今までの場面に土足で踏み込むような、

そんな感じの音楽の使い方は、

ベラの脳みそが変化していく過程そのままで面白かったです。

衣装とセットも良かったです。

カリカチュアされた膨らんだ袖のドレスや、おかしな蒸気船、カラフルな背景。

どこの国?いつの時代?

混乱してくるような、からかわれているような、夢に出そうな感じ。

現実味がないのはこのせいでもあると思います。

冒険物語って劇場出た後もワクワク感が止まらないものですが、

私にはそれがありませんでした。

冒険、とどの宣伝にも書いてありましたが、

これは冒険ではなく成長記録では。

大人の女性に語らせるために、胎児の脳を移植する、といったトリッキーな設定の必要性を感じました。

それとベラ=女性の人生を俯瞰して描いているわけですが、

男性目線だな、と。

女性ってこうなんですよ、みたいな。

時代設定が、着ているものや蒸気船で判断するに18世紀後半から19世紀にかけてだと思いますが、

その時代の女性って選挙権もなかったし、職業も限定されていました。

ベラは人生の過程の中で売春宿で働くわけですが、

「セックスしたいし、食べなきゃいけない」理由で働くんですね。

その時代にはそれしか方法がなかったのかも、なんですけど

なにか縛られてるものからの解放、を描くにあたって

うーーーん現代とはズレてるような・・・

今?って感じ。

実話ベースじゃないから、

フィクションで今、描く必要性を感じない、というか。

描くなら、もっと知的な方向でお願いしたかったな。

哀れなるものたち、って何の、誰のことなんでしょう?

支配しようとする男性たち、だとは思うのですが、

「いやぁ、男って駄目な種なんですよ~」て言ってるだけで寄り添ってないんですよね。

好きにやってごらんよ、って放り投げてる。

ラストでベラの自殺の理由が明らかになって、

彼女自身の手で決着をつけているわけですが、それがね、

下衆なやり方をさせているんです。

なんだかな。

そんな女性像を、大袈裟に見せられてもなぁ。

と、少し残念な気分になったのですが、

この監督さん、アートフィルムで有名らしいです。

なるほどね、アートとしてなら楽しめる。

ちなみに、「女王陛下のお気に入り」も実にアートでした。

原作本の映画化、ということで物語には共感できないけど、

観方を変えればアカデミー賞ノミネート、と言われても納得です。

俳優さんたちの演技をあれほどまでに引き出した手腕や

頭の中にあるものを映像として具現化するすごさは普通じゃない。

「映画」に何を期待しているか、によって賛否が分かれる作品だと思いました。

この作品は、ホームのシネリーブルではなく、

ミント神戸という大きな劇場で見たのですが、相変わらず宣伝ポスターはありませんでした。

ただ、チラシ関係を発見。

リバー・フェニックスの大ファンだったハネ。

その弟のホアキン・フェニックス大活躍ですよね。

予告編を見たのですが、面白そうです。

この人、ほんと七変化です。

「カモン・カモン」良かったけどな~

ここ数年のトレンド、ミュージシャン系。

ボブ・マーリーの物語。

ただ、ほとんど聞いたことないです・・・

この半年、劇場には足を運べませんでしたが配信系を見まくってました。

そのうちの一つがこのDUNEです。

いやぁ、面白いっす。

スターウォーズ好きはハマるはず。

続編楽しみにしています。

新しい年を迎えてハネアントも第2ステージに上がる予定です。

これまでは帆布メインでしたが、今後は革の作品も出していく所存です。

それには、感性を磨かないと!

その一つとしてやっぱり映画は大事にしよう、と思いました。

https://haneant.jp/

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